メイドインジャパンの技術力を世界へ

冷間曲げ加工と溶接、熱処理技術等、独自の技術を用いた金属リングの製造方法で世界へ。 image01

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材料歩留まり95%を可能にし、加工性・生産性を飛躍的に高めた冷間曲げ工法。

「リングブランクを冷間曲げ加工で大量生産できないか?」というある自動車メーカーからの依頼。その依頼にこたえるべく生まれたのがベンダ工法です。プレス打ち抜き工法では原材料の8割がスクラップになってしまうため、角鋼材を冷間曲げ加工して、溶接する方法を考案。専用の設備も自社で開発しました。設立当初から、鋼材の冷間曲げ工法の開発に取り組み、トンネルに使うH型鋼の曲げ加工で特許を取るなど、一般鋼材を冷間で曲げる加工を得意とし、実績があったからこそ、できた挑戦でした。

世界9カ国で特許を取得。エンジン始動用リングギアで世界トップシェア。

1975年、世界9カ国で「金属リングの製作方法およびその装置」として特許を取得し、後に「ベンダ工法」と命名。これを機に、一般鋼材の曲げ加工からの事業転換を図ります。ベンダ工法によるリング製品に特化してからは日本のモータリゼーションの波に乗り、自動車のエンジンに使う始動用リングギア製造においてナンバーワン企業を目指してまいりました。ベンダ工法を確立した当初は、国内の自動車メーカー1社だったお取引先も、現在では世界の自動車メーカーを中心に、トラック、建機、農機など、100社相当に拡大。リングギアを含むリング製品全体で年間2000万個以上を生産し、世界一のシェアを占めるまでになりました。

誰もなしえなかった「真円」リングを実現。2009年には「ものづくり大賞 経済産業大臣賞」を受賞。

ベンダ工法は、高品質、高歩留まり、低コストが特長です。原材料の歩留まりは95%で、材料ロスがほとんどありません。冷間圧延→曲げ→切断→溶接→熱処理→矯正という工程で真円のリングを成形する際、ベンダ工法では真円度0.5mm以内の金属リングに仕上げます。「品質は命なり」をモットーに改善と工夫を重ね、細かなノウハウを結集させたベンダ工法は、当社の技術の結晶。2009年には第3回「ものづくり日本大賞」経済産業大臣賞を受賞しました。

アジアを拠点に世界へ。これからもベンダ工業の挑戦は続きます。

新分野製品として、小径リング、大径リングを開発・製品化。2007年に設立した東広島の黒瀬工場では、建設機械や船舶向けリングの製造にも事業を拡げています。メイドインジャパンの品質を維持しながら、韓国、中国、タイといったアジアの生産拠点で効率的な生産ができるよう一元管理を徹底。 「世界の鉄を曲げてやる!」という創業当初の気概を引き継ぎながら、今後は自動車以外にも応用分野を広げ、さらなる挑戦を続けてまいります。これからのベンダ工業にご期待ください。